オルソケラトロジー治療の「危険性」とは?
オルソケラトロジー治療は比較的安全性の高い治療と言われておりますが、ずさんなレンズ管理や誤った使用方法によって、目を危険に晒すことになります。そのような目のトラブルを抱えないためにも、どのような眼障害が存在するのか知っておくことは大切です。
※当サイトは、治療に関して診断・アドバイス等するものではありません。あくまでも情報をお届けすることを目的としております。
オルソケラトロジーは比較的安全性の高い治療のひとつですが、眼科医の指示を守り、正しく使用しないと眼障害を引き起こす危険性があります。
治療を始めたことを後悔しないためにも、予めどのような危険性があるか知っておきましょう!
オルソケラトロジーレンズを使用する上で気をつけるべき眼障害(合併症など)をご紹介いたします。
角膜感染症
オルソケラトロジーレンズは、高酸素透過性のハードコンタクトレンズです。
通常のハードコンタクトレンズと同様にレンズの洗浄が十分でない場合やレンズが清潔に保たれていない場合、角膜感染症を引き起こす可能性があります。
そのなかでも特に重篤な感染症が緑膿菌やアカントアメーバによる感染です。
アカントアメーバは、水道水の中にも存在します。水道水は無菌ではなく、野菜や果物と同じように体内に摂取しても問題ありません。
しかしながら、レンズにアカントアメーバが吸着したままレンズを装用し、角膜に傷などがあると、その部分から原虫が侵入し感染してしまいます。
アカントアメーバ角膜炎は感染しても、しばらく自覚症状が現れません。自覚症状として、まず眼に異物感を感じます。その後、強い眼痛が現れ、結膜充血も見られます。感染した部分によっては、症状を放っておくと最悪の場合、失明につながることもあります。
アカントアメーバが角膜実質まで侵入すると、検体摂取には掻把しなければなりません。現在のところ、アカントアメーバ角膜炎には有効な治療薬がないとされており、抗真菌薬を用いながら角膜を削り取り治療を進めていくのが一般的です。そのため、治癒後、角膜混濁や強い乱視が残ってしまうケースもあり、視力障害が強い場合には角膜移植を行います。
角膜感染症の中でも後遺症が残る危険性が高いため、手洗いや毎日のレンズケアを入念に行い、充血や痛み、異物感などの症状が出た場合、直ちにレンズの装用をやめて、早急に眼科にて診察を受けることをおすすめします。
また併せて、専用レンズケースは、就寝前にレンズを装着した後、必ず水でよくすすぎ、専用レンズケースのキャップを開けた状態で自然乾燥させるようにしましょう。
※アカントアメーバは、水道水にも存在すると言われています。水道水でオルソケラトロジーレンズを保存することは絶対にやめましょう。
角膜炎・角膜上皮障害
コンタクトレンズによる眼障害の中で最も頻発するとされています。
レンズによって角膜の表面(上皮細胞)が傷つけられることで発症します。
自覚症状は、オルソケラトロジーレンズ装用時に眼が痛い、しみる、異物感などがあります。
予防のために、オルソケラトロジーレンズ装着の際に必ずレンズ装着液をレンズ内面に入れて装着し、レンズをはずす際に人工涙液などの点眼液を点して目に潤いを与えてからレンズをはずしましょう。
また、オルソケラトロジーレンズに破損(傷や欠け)が無いか定期的にチェックすることも有効です。
痛み等の自覚症状が出た場合、直ちにオルソケラトロジーレンズの装用をやめて、眼科医に相談しましょう。
角膜内皮障害
角膜は5層で形成されています。
そのうち、一番内側にある細胞が角膜内皮細胞です。
この細胞は、一度障害を受けると、再生しないとされています。
オルソケラトロジー治療において、角膜内皮細胞の減少は認められませんが、通常のハードコンタクトレンズ同様、レンズケアを怠り清潔でないレンズを使用したり、長期的(メーカーの推奨使用期限は2~3年程度とされていますが、眼科医の判断によります)に同じレンズを使用すると角膜内皮細胞が減少する可能性がありますので、ご注意ください。
巨大乳頭結膜炎
主な自覚症状は、コンタクトレンズ装用時のかゆみや充血、目やになどです。
原因は、レンズの汚れによるものがほとんどですので、オルソケラトロジーレンズや専用レンズケースを清潔に保つことで予防します。
また、専用レンズケースは定期的に新品に交換することをおすすめします。
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オルソケラトロジー治療は、手術を必要としない治療なので比較的安全とされていますが、通常のハードコンタクトレンズ等と同様に眼障害には注意しましょう。
(2022.3.14 更新)